立派な蔵造りの建物が並ぶ信州須坂は、明治〜昭和初期にかけて製糸業で全盛を極めた街。お隣りの小布施町よりスゴイのに、思い切りが足らないのか?観光地として認識されてませんナ。少し残念ですヨ
長野県北部「北信地方」をブラ付いてます。その最後に参りましたのは、古い陣屋町・須坂市。戦国の覇者・豊臣秀吉公に「天下三陪臣」と絶賛された、堀直政公の四男・直重公の興した須坂藩一万石の在った街。
江戸時代を通して堀家が治め続け、合わせて十四人の殿さまが居られますヨ。中でも出色なのが、十三代藩主で「堀内蔵助直虎」と云う幕末の殿さまです。最後の将軍・一橋慶喜公を、叱りつけたとされてます。
兄の死により二十五歳で藩主を継ぎますが、僅か一万石の小大名・堀家の財政は火の車。ソコで最初にしたのが、賄賂を貪る家老ら四十一人の粛清・追放。たった百十人しか家来が居ないのに、随分と過激な。
元々洋学が好きで、自ら「ストレートタイガー(=直虎)」と名乗って西洋式軍制を導入し、藩政を大改革!この実績が認められて幕閣に呼ばれ、三十一歳にして「若年寄」と「外国総奉行」に就任。今の外務大臣。
須坂市の郊外に、日本三大不動尊を名乗る「米子瀧山不動寺」が在ります。奈良時代に行基上人によって開山され、後に上杉謙信公が「弘法大師作の不動明王像」を本尊として安置されたとか。有名人ばかり
処が時期が悪すぎる。若年寄就任の前月に「大政奉還」が発表され、政治は大混乱の極み。幕府はもう崩壊寸前で、薩長土肥の反逆軍の脅威が迫って来る。こうなりゃ決戦だ!鳥羽・伏見の戦いで、決着付けよう!
その結果は・・幕府の大惨敗。総司令官たる慶喜公自身が江戸に逃げ帰る始末で、戦うか降伏するか・・会議は踊る。ソレを呆れて「ストレートタイガー」が動き出しますヨ。慶応四年(1868)正月十七日のコトです。
白の死装束で慶喜公に面会を願い出たとか。何ごとか強い調子で申し述べ、コレを聞いた慶喜公は立腹して席を立ち、一人残された直虎は自害して相果てる・・。会話内容は謎ですが、兎に角叱り付けてたらしい。
講釈師の想像じゃ「我ら幕閣と共に腹を切り、上様や幕府の誉れを守りましょう」てな辺りか?「死を賭して意見を言う」、コレを諫言と申しますが、余程の覚悟が無ければ出来ぬ。スゴイ殿さまが須坂に居りました。
直虎公が自害された慶応四年は、九月に改元が有って「明治元年」に成ってますヨ。つまり、そんな昔じゃ無いンですナ!人生最後の二ヶ月で超新星の如く燃え尽きた訳で、もっと平和な時代だったら・・きっと名君として過ごせたンでしょうネ。ソレが時代の流れだ・仕方無いヨと云えばソレ迄ですが、米子不動尊へ向かう高台から須坂の街を眺めつつ、ストレートタイガーの直情さについて改めて考えてみた私メでした
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★明日は「東京都中野区中野」への訪問記です★
(参考リンク)
★「歴史と自然の香る街 信州すざか」須坂市観光協会HP
★「須坂市公認ポータルサイト」いけいけすざかHP
★「信州からあなたへ 須坂市」日本列島夢紀行HP
★「蔵の町 長野県須坂市」風に吹かれて ぶらり小さな旅HP
★「日本三大不動尊、上杉謙信公護持仏」米子瀧山不動寺HP
★「須坂藩13代藩主 堀直虎」須坂市役所HP
★「『人間の評価』に就いて(5)堀直虎」佐久間象川ブログ
★「将軍に覚悟の『諌死』!堀直虎」熱く散って逝ったもののふ達のフォト列伝ブログ
★「すこうのおいしい時間」JA須高HP
★「ワッサー」JA須高・直売所ブログ
(関連する記事)
★「197 信州松代で改めて講談を考えてみた」
★「1062 【野菜果物37】長野県はもともと『中野県』だった!」
★「1080 【名物パン83】女武将の復讐と『かすてらぱん』‥井伊谷」
★「1126 【保存食品28】真田の里で『上田大根たくわん』」
★「1127 【お米料理75】蔵の街・須坂で『みそオムライス』」
★「1128 【名物パン88】『頭脳パン』と林檎畠‥信州中野」
★「1129 【名物パン89】渋温泉のソウルフード『うずまきパン』」
★「1875 【やきそば199】志賀高原で『巨大すぎる焼きそばパン』を」
★「1876 【名物パン206】『牛乳パン』とオーパーツ・・信州中野」
★「1877 【スイーツ128】走狗煮られて『栗あんソフト』を舐める・・小布施」
(鯉風のお仕事)
★「日本全国へ、『出前講談』にお伺い致します」
★「『フルオーダー講談』を作ってみませんか?」
(『直虎』と云うと、井伊家の女武将ばかりが思い浮かぶ私メですが)
真夏の北信地方を訪ねたのは、ちょうど今が旬の「ワッサー」が欲しかったから。須坂市で生み出された白桃とネクタリンの間の子で、歯応えの有る桃と云うか、エラク甘いネクタリンと云うべきか・・私ぁ数年前に偶々知りまして、真夏に成るとコレが食べたく成る。最近はごく稀に東京でも売られる様に成りましたが、やっぱ本場で買う方が安いし選べるし、何より楽しいしネ。フツーのワッサークイーンに加え、巨大サイズのワッサーキングまで登場し、真夏の信州はやっぱりコレが一番ですナ!